測色講座 Ⅰ 色空間の話 (1)

 Ⅰ 色空間の話

注)計算式などがふくまれますので、エクセルの環境で使う事が前提です。

1-1 マンセル色票

 色の表現は色立体、すなわち3次元で表現できます。現代でもDIC Color Guideにみられるように、マンセル表色系の色相(Hue)、明度(Value)、彩度(Chroma)の三属性で分類される。白・黒や灰色は、色相はない無彩色で、明度で区分されます。そして、色相は基本5色(赤:R、黄:Y、緑:G、青:B、紫:V)とその中間色(YR、GY、BG、PB、RP)と合わせた10色相に分割し、更に10段階で表現することで、色相環を100色相として表します。又、明度は白を10、黒を0とする10段階で表します。彩度は鮮やかさを表現しており、色相によって限度値は異なります。5Rでは彩度は最大14ですが、5BGでは10と異なります。ちなみに、日本の国旗の日章の色は、平成11年の制定で「紅色」となっています。紅色の慣用色名からマンセル値で表すと、「3R 4/14」(サンアール ヨンノジュウヨン)となります。しかし、実際にはもっと赤味のつよい「9R 5.5/14」が多いと記載されていました。図ー1にマンセル色票の色立体写真を紹介します。

1-2 RGBからXYZの変換

 テレビ、ディスプレイではRGB(Red-Green-Blue)で色を表現します。光の三原色です。(図ー2 光の三原色)PCでは、範囲を指定して、RGB値を与えれば、色が自由に作れます。

例を示しますと、ワード/エクセルから、「挿入」>「図形」で「丸、四角」などを選びます。その図形の「書式設定」で色を指定できます。例えば「テーマの色」の一番左端の一番下の「灰色」を選んでみましょう。この状態から「その他の色」>「色の設定」と進めると、「現在の色」として、「色相ー彩度」と「明度バー」で位置が判ります。更に中央辺りに「カラーモデル」RGBとあって、R:127 G:127 B:127 と数値が並びます。これは、「光の三原色RGB」の強さを0-255で表したもので、127はその半分の値になります。RGBそれぞれが0-255の値を選べるので、理論的には1,680万色とおりの色表現が可能だとなります。ただ、ディスプレイやプリンター(総称してデバイス)の能力は機種により、異なりますので、RGBが同じだからと言って同じ色とは言えません。そこでsRGBというものが1999年IEC(国際電気標準会議)で、ディスプレイによる表現を標準化しています。IEC1966-2,1対応としています。

 このように、RGBでは色を絶対的な数値として取り扱う事が難しく、デバイス依存のある数値となります。しかし、XYZ表色系(次々回紹介)はデバイス非依存です。

sRGBとXYZの関係は 式ー1 RGB 8bit表現から、sRGBへの変換 及び、sRGBからXYZへの変換を示しました。その下に、エクセルでのプログラムを例示しています。

また、三原色と中間色と、白、灰色のRGBからsRGBを求め、XYZに換算した例を紹介します。(今日はここまで、次回はxy色度図)

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