宇宙の話 5 地球の未来(3)

(V 地球の未来(3))

毎月20日は、昔から興味のあった話を「ニュートン」や「ブルーバックス」から抜き書きし、最近はTV番組の「コスミックフロント」で、情報を得ています。できるだけ更新しています。

 

人類の技術革命

人類の進歩を歴史からさかのぼってみよう。

初期文明

  • 現代人(ホモサピエンス)の誕生前に、火が使われており、動物をさばいたと思われる石器や、石斧が見つかっている。 こうした道具や二足歩行が、類人猿と人類の区別の基準らしい。
  • 現代人の現れたとされる20万年前の石器時代。 衣服は10万年前にはあり、動物の家畜化も紀元前(BC)15,000年前には跡が見つかった。 農業はBC8,000年に始まり、着色された衣類はBC5,000年のミイラを覆った布から見つかっている。
  • 文字はBC3,500年には発明されていた。 そしてBC3,300年に青銅器、BC1,500年には鉄器が出来ている。
  • それ以外にも、小舟で海を渡っている事から、天体観測の技術も古代からあった。

古代文明

  • 各地で進歩した技術は、世界に伝わりゆっくりと文明が成長している。 エジプトの建設技術、中国の火薬、ギリシャの水車、ローマの鉄器、インダスの航海技術など、現代の基礎技術となった。

中世文明

  • 更に洗練された応用技術が進歩した。 眼鏡、風車、水力の利用、洗剤、印刷機、天体観測など、おおくの発明・発見がなされた。

産業革命

  • 18世紀半ばから19世紀にかけて、イギリスで起こった一連の産業の変化を言う。 主に綿織物の生産と、製鉄業の発展、蒸気機関の開発による動力源が刷新され、豊富な農村人口を労働力として、工場制機械工業に発展した。 従来の家内工業のような非集約産業が、集約型産業となり、生産性が高くなるとともに、生産コストが下がり、世界の産業形態が大きく変わった。
  • 第一次産業革命は、植民地の多いイギリスで綿製品等の軽産業が主体であった。 19世紀後半 米・独で起こった電気・石油による重化学工業への移行を、第二次産業革命と呼ばれる。 又20世紀後半には、コンピュータ制御による自動化が進んだ時代を、第三次産業革命と言われる。 21世紀の現在では、コンピュータ利用方法が著しく進化して、ビッグデータの活用と人工知能(AI)で解析技術が進歩し、「自立型」の自ら考え、動く装置の時代がもうすぐやってくる。 これが第四次産業革命と呼ばれる。
  • AIの浸透した世界はどうなっていくのだろうか? 産業革命がおこる毎に、成長する産業と衰退する産業が生まれる。 歴史的に見れば、労働力が中心の産業は、人口が多く、安価な労働力が豊富な国へ移っていった。 労働力の少ない国では、仕事の内容を変えていかなければならない。 人を介せばコストアップになり、在宅勤務なり、サテライト事務所での勤務形態が主流となる国・地域がでる。 又、一つの仕事では十分な収入が得られないので、副業が盛んになるかも知れない。 人と合う必要がない分、信用度を評価、保障する産業が進化するかも知れない。 人工知能が様々な分野で中心になれば、産業形態は大きく変わる地域・国が生まれる。

 

地球の未来

  • 太陽は20億年後には、金星軌道近くまで拡大するので、地球は灼熱の高温の星となり、生命は存在できなくなるだろう。 すなわち地球上の生命にとっての未来は約20億年より先はない。
  • 太陽は60億年後には、すべての原料が燃やし尽くされると、だんだんと巨大化していき、ついには地球軌道まで達するので、最終的には地球は太陽に飲み込まれる。 おそらく65億年後までには地球は消滅する。
  • 地球の表層は年間数センチから10センチ動いているので、永い時間により地球は大きく変貌する。

これからも、地震による災害、寒冷化・温暖化が招く気候変化の災害は続く。 いつそのような災害が来るかの予想はできなくても、それに備える最低限の事はできる筈である。 そして、被害を少しでも小さくする努力をすべきである。

  • 人類は、いつかは滅亡するか、少数の人類が生き残る事は可能であろう。人類の滅亡する場合の理由としていくつか言われている。

大きくは自然現象と、人類自身の活動による場合が想定されている。

世界大戦: 原子爆弾生物兵器が使われ、世界を巻き込む大戦争となって、極一部地域で生存しているかも知れない。 特に南半球。

未知の伝染病: 世界中に蔓延し、何割かの人類がなくなるかも知れないが、人類としては生存する。17世紀のニュートン万有引力発見の機会となったのは、欧州でのペスト流行で、長期間の休暇を故郷で過ごしていた時と言われている。 現在世界に蔓延している新型コロナウィルスもこの一種である。 今回は人類にとっては致命的な物ではなさそうだが、特効薬が見つかるまでは、致死率が高く、人の往来が制限され、世界経済は破堤する。 

寒冷化: 隕石や火山活動などにより、十分な太陽光が地球に届かない期間が長引き、食料生産ができなくなる。 飢餓が起こり、食料略奪の小競り合いや地域限定の戦争が各地で起こる。特にアフリカ、および中東地区、東南アジアは人口と食料供給のバランスがわるいので、紛争がおこりやすい。

温暖化: 生命にとっての問題は小さく、寒冷化の方が大きい。 地球規模の気候変動による災害の発生が指摘されている。 上がった気温はほとんどが海に吸収されるので、一旦上がるとなかなか落ちないので、大雨や台風の発生、乾燥地が拡大化するなど災害が指摘される。但し、食料生産は全体的にはプラスになる。 

地磁気の逆転: 地磁気によって太陽や宇宙からくる放射線から地球は守られている。 しかし、過去の例から言っても、地磁気の逆転現象はいつ起こっても不思議ではない。しかも、ここ数十年は地磁気が弱くなっていることが観測されている。 地磁気によるシールドがなくなった場合、宇宙から飛んでくる放射線が生命に重大な影響を与える。     

宇宙からの侵略者: 可能性はない。

人類の退化: 男性染色体であるY染色体が機能しなくなると心配されている。 男性はXY染色体、女性はXX染色体で成り立ち、X染色体は複数あるので補完しあえるがY染色体は1個しかないので、どんどん欠失しており、哺乳類全体の問題と言われる。 X染色体に含まれる遺伝子が1000~2000あるのに対し、Y染色体には50個ほどしかない。 予想されてはいるが、数10万年単位の話である。 

 ・人類が滅びた後に残る生物には、どんな特徴があるのだろうか。

生命の多様性: 生命が多様である事がこの激しく変化した地球の中で生存できた証であり、それは変わらない。 ただ、このような環境の変化に対応できるのは、変化が小さい場合であり、急激な変化が 生じた場合、生物の種類の75%以上の絶滅が過去にも生じている。 すなわち、未来の環境の変化が、急激に起こると、その環境に適した生命に進化発展するという歴史的な事実には、変化はないだろう。

想像ではあるが、集団生活で助け合って生活する生物(例えば蟻・蜂など)は、生きながらえるが、個人主義的な生物は、厳しい環境では消滅していくだろう。 人類は助け合う生命体なのだろうか。

  • 食料は、寒冷化の時代に突入したとき、世界的な不作になり、多くの地域で飢餓問題が発生する。 2030年頃に来ると予想される、太陽活動の減衰期におこる寒冷化のためにも、食料の備蓄を増やすべきであり、食品ロスを減らす工夫をすべきである。 ただ長くは続かず10年ぐらいで、太陽活動は活発化すると推定される。
  • 化石燃料は、どんどん使用量が減り続け、まだ数百年は持続可能だろうが、いつかは枯渇する。
  • エネルギーは、核融合発電が成功すれば、ほぼ解決できる。 原料の重水素は海水中に無尽蔵にあり、炭酸ガスも発生しない。 高濃度の放射性廃棄物は出ないので、建設地は理解されやすい。 2025年に向け、フランス南部でICER(国際熱核融合実験炉)の建設が進んでいる。 計画の参加国は、日本、EU、アメリカ、ロシア、インド、中国、韓国の7か国である。