宇宙の話 4 地球の未来(1)

Ⅴ 地球の未来(1)
  今迄紹介した ・宇宙の未来 ・銀河の未来 ・太陽の未来は、遠い未来の話ではあるが、まず間違いなく発生することです。 これから紹介する地球の未来は、全てが決まった事ではなく、地球に生存する生命体、特に人類の関わりが大きい事が類推されます。 更に、自然の摂理があり、過去の歴史が判ってきた現代では、人類の関わり方によって変わる事を考えて欲しいと思います。

 地球の自転
・ 地球の自転速度は徐々におそくなっており、何億年か前には、自転速度が速く1年間は400日だった時もある。 10~50年の短期に見れば常に遅くなるわけではないらしい。1970年代は1日の長さ(LOD:Length of Day)は、86,400.003秒が、2012年は86,400.001秒と0.002秒短いとの結果である。
・ LODの変化は主には潮の満ち引きの影響であるが、大きな地震があると、変化する。
・ 月は1年で約3cm地球から離れている。 

表層の変化
・ 地球は、中心に主に鉄を主成分とする核があり、周りをマントル、そして10数枚のプレート(地殻)が表層を覆っている。 卵で言えば、黄身が核、白身マントル、殻が地殻である。 地殻は年間10cmぐらい動き、プレートの境界でもぐりこんで行く。 もぐりこんだ地殻はマントルの中をゆっくり1,000万年ほどかけて2,900Kのマントルの中を落ちてゆく。 地殻からはがれた大きな岩石の塊を「メガリス」と言う。 地震波の研究で、プレートのもぐりこみ周辺の地下深くに、崩落した岩石の塊メガリスがみつかっている。 シミュレーションによって5,000万年~4,000万年前にアジア地下の巨大なメガリスがマントル下部に達し、核に覆いかぶさるようになった。 マントル深部から上昇する高温の熱源が移動する場所を「ホットスポット」と呼ぶが、この動きがメガリスの崩落によって変わった可能性がある。 又、関係は明確ではないが、この時期の地球は暖かく、北極圏の冬の気温が18℃と熱帯となり、恐竜絶滅後哺乳類の種類が急速に増えた時期(始新世)と一致している。 同時期ノルウェー沖のメタンハドレートの融解が起こり、大気に大量の温暖化ガス「メタン」が放出された。 これも、メガリスの崩落が関係するかも知れない。

地震
・ 2004年年末に発生したスマトラ島沖地震はM9.2の超巨大地震であった。 長さ1,000Km、幅150Kmにわたり、20mの高さ変動があったことになる。 写真などの記録されている最大の地震は、1960年のチリ地震で、M9.5。 そのときの津波で遠く離れた日本の三陸海岸などで多数の死者をだした。 1995年阪神淡路島地震はM7.3。 長さ50Km、幅15Kmにわたり2mの高さ変動で、人口密集地であったため、あれだけの被害になった。 2011年の東日本大震災東北地方太平洋沖地震)はM9.0。 2016年熊本地震はM7.3。
・ 戦前を含め、写真などで記録されている1800年以降での、マグニチュード(M)で大きさ順に並べた。
 1)1960 チリ地震  M9.5
 2)2004 スマトラ島沖地震  M9.1-M9.5
 3)1964 アラスカ地震  M9.2
 4)1833 スマトラ島沖地震  M8.8-9.2
 5)2011 東北地方太平洋沖地震  M9.0
  東日本大震災が歴史上大きな災害であった事が判る。 例えば、1995年の阪神淡路大震災はM7.3。
  「マグニチュード」は、地震そのものの大きさ(規模)を表すものさしです。 一方「震度」は、ある大きさの地震が起きた時のわたしたちが生活している場所での揺れの強さのことを表します。
・ 巨大地震が発生している場所は、プレートとプレートの境界あたりに集中する。 プレートは地球表面をおおう十数枚の岩板で、プレートはゆっくりと移動しながら、互いにぶつかりあい、一方が他方の下にもぐり込んだりしている。 プレートの移動速度は年間数センチから10センチぐらいとわずかであるが、下にもぐりこむ時に境界の一方のプレートも摩擦で引き込まれる。 これが、もとの形に戻るときに地震が起こるとされている。
・ プレート運動による伸張の力や圧縮の力は、地下の岩盤にひずみを蓄積させる。 そのひずみに 岩盤が耐え切れなくなると、ある面を境にして岩盤が急激に破壊されて地震が発生する。 その破壊された面を断層面といい、既存の断層を動かしたり、新たに断層をつくったりする動きを、断層運動と呼ぶ。 断層運動は「正断層」、「逆断層」、「横ずれ断層」 の3つの基本的なタイプに分けることができる。 これは、地下の岩盤に働く力の向きの違いが、断層面を挟んだ両側の岩盤に異なる動きを生じさせるためである。
・ 断層地震は、プレート運動による歪の連動によって引き起こされるので、周期性があるが、場所によって周期の長さは異なる。 地震によりできた断層帯の辺りでは、いつかは地震が起こる可能性はあるが、予測は難しい。

地球温暖化
・ 「温室効果ガス」とは、大気に含まれ、地表から宇宙へと逃げていく熱を閉じ込める気体のことで、CO2(炭酸ガス)、CH4(メタン)、N2O(一酸化二窒素)、フロンガスがある。 そして水蒸気が最も大きな温室効果ガスである。 もし、温室効果ガスがなければ、地球の平均気温は-18℃であるが、現在は14℃に暖められている。 その効果の8割は水蒸気によるものと言われている。
・ 地球温暖化の原因として、水蒸気を別にすれば、温暖化ガスの増加量の76%は炭酸ガスである。 石炭・石油等の化石燃料の影響が大きく、産業革命以前CO2濃度は約280ppmであったものが、2005年には約380ppmになった。 又、近年では、発展途上国の焼き畑農業による炭酸ガスの増加も言われだした。  
・ 同時に、CH4(メタン)濃度もガス増加量の15%を占めている。 メタンガスは温室効果炭酸ガスの15倍あり、メタンガス増加も注意が必要である。 メタンガスの増加の主なものは、牛のゲップ、池など溜まり水に汚水が流れ込み、メタンガス発生の温床となっており、発展途上国の汚水も一因にある。
・ 恐竜絶滅後の6,000万年ほど前には、北極の平均気温が18℃になり哺乳類が増えた時期がある。 寒冷化では、生物が絶滅の方向に向かうが、温暖化は生命活動が活発になったと、過去の事例は述べている。

氷河期
・ 太陽の活動の低下や、大きな隕石や火山活動により、太陽のエネルギーが下がると、地球全体を氷で覆われるときが、過去に少なくとも5回あった事が判っている。 現在は約285万年前から始まった第4紀氷河時代間氷期にあたる。 4万年から10万年の周期で、氷床後退と拡大期を繰り返す。 現在は約1万年の氷床後退期にあたり、グリーンランドや南極・北極などに僅かな氷河を残すのみとなった。
・ 南極の氷床コアの分析から80万年の過去からの気温変動を推定したグラフがある。 その大半は氷河期であり、間氷期が約11万年周期でおとずれていた。 およそ1万年から数万年の間氷期があり、現在は1万年の間氷期だとされる。
・ しかし、およそ4000年後には、数万年つづく氷河期に突入する。 平均気温は-18℃と予想され、人類だけでなく、大半の生命は絶滅する危険性がある。 人類がどういう状態かは、説が分かれる。
・ 長期の火山活動による大気汚染によって、太陽光が遮られ、寒冷化した時代もあるので、現在世界で起こる森林火災も、炭酸ガスの増加による温暖化と、太陽光の遮蔽による寒冷化を促進する可能性もある。

<つづく>

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